昨日、西日本を直撃した台風21号は、大阪を中心に甚大な被害をもたらせました。関西空港が冠水するなど、高潮による災害も多発しました。そこで取り上げられた言葉が「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」です。

それぞれの言葉は、以前クイズの問題にしたこともあり、覚えていらっしゃる方も多いかと思いますが、復習も兼ねて取り上げたいと思います。

「吸い上げ効果」とは、低気圧(台風を含む)が接近して気圧が低くなり、海面が吸い上げられて上昇することです(参考 → 「防災クイズ 101」)。気圧が1hPa(ヘクトパスカル)低くなると水面は10㎜上昇します(参考 → 「防災クイズ 49」)。1気圧は約1013hPaなので、中心気圧が940hPaの台風の場合、台風の中心付近では1気圧の時よりも730㎜も上昇することになります。

また「吹き寄せ効果」とは、台風などの影響で沖から海岸に向かって強い風が吹くと、風により波が高くなることです(参考 → 「防災クイズ 102」)。

高潮のことを、別名「気象津波」と呼ぶそうです(NHKのラジオで言っていました)。今回の台風21号は「吸い上げ効果」と「吹き寄せ効果」が同時に起こり、まさに津波同様に沿岸部を襲ったのです。